普段の生活に欠かせない道路や橋、住宅などの建物。これらの建設工事を請け負う場合に必要になるのが建設業許可です。また、国や自治体が発注する公共工事を元請として受注する場合も建設業許可が必ず必要になります。このように、建設業者にとって建設業許可は経営を左右する非常に重要であることは言うまでもありません。

建設業の経営者や許可事務の担当者が許可制度や許可要件をよく理解していないと、許可の更新を忘れたり許可要件を満たさなくなっても対策をできずに建設業許可を失ってしまうかもしれません。そのような事態にならないためにも、建設業許可制度の目的、許可の要件などをしっかり押さえておきましょう。

 

 

建設業の現状

建設業は、人の生活を支える産業です。住宅などの個人財産、道路や公共施設といった社会資本の整備に建設業は欠かせません。また、高度経済成長期に建設された社会資本が老朽化しているため、これらの更新・改修・修繕といった工事は増えていくと思われます。さらに、近年多発している大規模な災害からの復旧・復興、災害対策にも建設業は欠かせない存在です。

災害

 

 

 

 

 

 

 

 

建設業の特殊性

建設業は受注産業なので、他の産業とは違い次のような特殊性があります。

  • 完成した現物を見て購入するかどうかを決められない。
  • 手抜きや欠陥があっても素人が簡単に判断できない。
  • 発注金額が大きいため、工事を請け負った業者が工事の途中で倒産すると発注者は多大な損害を被る。
  • 一定の技術水準や経験がなれければ建設工作物を施工できない。
  • 施工に必要な機械・器具も大型で高額である。

このような特殊性があるので、建設業許可の取得要件が定められているのです。

建設業法の目的

建設業法第1条に規定されている建設業法の目的は以下のようになっています。

  • 建設業を営む者の資質の向上
  • 建設工事の請負契約の適正化
  • 建設工事の適正な施工の確保
  • 発注者の保護
  • 建設業の健全な発達の促進 

これらの目的を果たすことで、「公共の福祉の増進に寄与する」と規定されています。

建設業許可は、これらの目的を達成するための手段であるといえます。建設業許可の許可要件は、良質な建設業者の育成と、建設工事の発注者が安心して建設業者に発注することができることを目的に定められています。

建設業許可が不要な工事

建築

 

 

 

 

 

 

一定の軽微な工事だけを請け負う者については、建設業許可が無くても請け負うことができるようになっています。軽微な工事とは以下のとおりです。

建築一式工事

  • 工事1件の請負金額は1,500万円未満
  • 延べ床面積が150㎡未満の木造住宅の工事

建築一式以外の工事

  • 工事1件の請負金額が500万円未満

 

軽微な工事のほか、以下のような工事も建設業許可は不要です。

  • 自らが使用する建設工作物を自ら施工する場合(自社施工)
  • 不動産業者が建売住宅を自ら建築する場合(請負契約に該当しない)
  • 船舶・車両など土地に定着しないものの工事

許可取得の積極的理由

軽微な工事だけを請け負う建設業者でも、要件を満たしていれば建設業許可を取得することができます。建設業許可を取得する理由(メリット)は以下のようなことが考えられます。

  • 自社の信用度を向上させる目的
  • 金融機関から融資を受ける目的
  • 大手建設業者の下請になる目的
  • 元請として公共工事に参加する目的

このように、社会的な信用が得られることや、仕事の幅が大きくなるなどの大きなメリットがあります。

まとめ

建設業許可を取得するには、たくさんの要件をクリアしなければなりません。その要件は、建設業の発展と公共の福祉に寄与することが目的ですから要件が厳しいのも当然といえます。その分、建設業許可を取得するメリットは多く、会社の経営自体にも大きな影響を与えると考えられます。

ですから、建設業者の経営者や許可事務の担当者はより建設業法を理解しておかなければなりません。